両親ともにまだまだ元気で、将来のことを深刻に考えているわけではないのですが、当然子どもよりも先にこの世からいなくなるので、「親なきあと」については夫婦でたまに話すこともある、という状態です。悩んではいますが非常に漠然としていて、ではいったいどうすればいいのか、ということが具体的に見えていません。「親なきあと」の問題について、親はどのように考えていけばいいのでしょうか?
A・まずは課題を整理してみましょう。やるべきことが見えてきます。
質問者の方のようなパターンは大変多いと思います。悩んではいるし、このままではいけないとも思っているけど、では何をすればいいのかよくわからない、という状況だと思います。
ご自分の親御さんが高齢になったり、認知症がすすんだとときの暮らし、在宅が難しくなったときに、住む所はどうなるのだろうとか、どのような福祉サービスがあるのだろうとかは、イメージしやすいところがあります。しかも自分が子どもなので親のことを最後まで面倒が見られます。どうやっていけばいいのかわかるのですが、子どものことになると自分がいなくなった後、どこまで誰に頼んだらいいのかわからない。自分が元気なときに、どこまで手をつけていいのかが分からないので、漠然とした不安になってくるのではないかと思います。
親なきあとの不安は、実は次の3つの課題に整理することができます。それは①お金の管理、②住むところ、③日常生活のケアです。
それぞれについて考えてみることで、親なきあとが解決するとはいきませんが、頭のなかで霧がかかっている状態から少し霧が晴れてきて、こういうことを準備すればいいのかとか、あるいは別にあせらなくてもいいんだなとか、いろいろやるべきこと、後からやってもいいこと、まあこれは考えておこうということが、みえてくるのではないか、と思います。