若い障害者を長い期間にわたり後見業務を行うために、法人後見というものがあるようですが、普通の後見と比べていいところ、悪いところなどを教えてください
A・デメリットもありますが、障害者には有力な手法です
法人後見とは、社会福祉法人やNPO、社団法人、株式会社などの法人が、後見人となるものです。
法人後見のメリットとしては、以下のようなものが考えられます。
・後見業務を長期間継続できる
・組織の中で情報共有ができ、担当者の交代の必要が生じたときに対応できる
・困難事例に、複数の人間によるチーム対応ができる
・地域のネットワークの活用や連携が行いやすい
もちろん、いいことばかりではありません。担当者が交代できることやチームとして後見業務を行えるということは、被後見人からすると顔が見えにくい、また責任の所在があいまいになるというデメリットもあり得ます。また、個人の後見人であれば何か問題が起きたときに一人の判断で迅速に動けますが、チームで対応だと意思決定が遅くなるという恐れもあります。
また、法人だからといって長期間の後見が保証されているわけでもありません。たとえば、法人が財政的に厳しくなるケースも考えられますし、設立当初はメンバーの熱い思いで困難を乗り越えてきたものの、代がわりの時期を迎えると、人材不足に悩むようなケースもあるでしょう。長期にわたる活動をどうやって引き継いでいくのか、安定して継続させるために解決しなければいけない課題はたくさんあります。
しかし、そういったマイナス部分を差し引いても、若い障害者の後見をする場合、法人後見は大きなメリットがあると思います。