受託者がちゃんと給付してくれるかどうか不安です。チェック体制はないのでしょうか
A・信託監督人という制度はありますが、活用するかは慎重に
信託契約を結んだからといって、本当にお金が定期的に渡されるのか、その保証はあるのか、という不安はありますよね。受託者が確実に契約を実行してくれればいいですが、あくまで私的な契約なので、それを反故にされてしまって誰もチェックしていなければ子どもは困ってしまいます。
それを防ぐために、信託監督人という制度があります。こちらは、障害のある人が受益者になる場合のように、利益を受ける人がお金を給付してくれる受託者を十分管理できないときに、その利益を守るために受益者の一切の権利を行使する立場の人です。
信託銀行や信託会社などに委託した場合は、会社の信用がありますのでまずこういった心配はないでしょうが、きょうだいなどの身内や第三者に頼んだ場合は、彼らに対する保証や監督機関はありませんので、親としては信じて託したけれど不安は残る、といったときには検討すべき制度かと思います。この信託監督人も、契約によって設定します。税理士などの専門家が就くことが多いようで、費用もかかってきます。
しかし、そもそも信じて託したのだから、あとはすべてお任せしないと、まかされた受託者側も信用されていないのか、と感じてしまうかもしれません。その後の受託者としての責務を真剣に行わなくなるといった恐れもあります。信託監督人を置くかどうかは慎重に考える必要があると思います。