2014年にスタートした「親なきあと」相談室ですが、障害者の親のニーズがとても高いことを実感しています。私の中にもいろいろと知見が増えてきました。
親は相談したいと思ったら、例えば福祉サービスについてなら市の福祉課に、成年後見についてなら社会福祉協議会にというように、課題を絞って対応してくれそうな相手を自力で探さなければなりません。でも、とにかく漠然と不安、何から手を付けていいかわからないという障害者の親がとても多いです。そんな時はどこに相談していいかわかりません。
「親なきあと」相談室のようなよろず相談窓口があれば、漠然とした悩みに対しても、相談ができて次への指針が示されます。具体的な悩みが見えてきたら、専門家を紹介して、個別に対応してもらうことができます。早い段階から不安を話すことで、それぞれで事が大きくならないうちに準備が必要なことを知り、準備できる状況を作ることができます。
「親なきあと」相談室の機能は、何かを解決する場ではなく、あくまで予防的な対応をする場所、病気で言えば、重病になってから大病院に駆け込むのではなく、ちょっと体調が悪いと思ってかかりつけの医者に行く、そんなイメージです。
大分県社会福祉事業団では、県に6カ所リアルな「親なきあと相談室」を開設し、実際に相談を受けています。私の知っている士業の方で、名前はいろいろですが同様の志で相談窓口を開いている方々がいらっしゃいます。はっきり言ってお金にはなりません。でもニーズのある活動には、必ず何らかの形で、将来報われることがあると思っています。
2017年9月に札幌で行われた全国育成会大会では、ぜひそれぞれの地域に、親の会などが率先してこういった窓口を作ってほしいとお願いしました。もし私で何かお力になれることがあれば、可能な限りお手伝いします。ちなみに「親なきあと」は相談と印刷分類で私が商標登録していますが、ひと声かけていただければ自由に使っていただいて結構です。
思いのある方、同じ志をお持ちの方、ぜひご連絡ください。よろしくお願いいたします。