2003年の支援費制度は、従来の行政による措置から、契約に基づいてサービスを受ける制度への変換、「措置から契約へ」といわれる大きな変更でした。
この考え方をさらに強く押し出したのが、2005年成立の障害者自立支援法であり、さらに現在の障害者総合支援法へとつながります。
また、2004年と2011年に障害者基本法の改正がされています。それぞれの改正の趣旨は、04年は地方自治体への移管、11年は障害者権利条約批准に向けた対応と、違ったものです。
ただ、これらの法制度の施行、改正を通してみてみると、障害者の地域移行、共生社会の実現という前向きな方向性が示されながら、限られた社会資源(つまりお金)の調整の言い訳ができるようになっているということです。
私たち親のできることは、行政に対して注文を付けることも必要ですが、子どもたちのためにいかに今ある制度を上手に活用するかだと考えます。地域の中で生活するという流れは変わりませんので、少しでも子どもたちが幸せに生活していけるように、知恵を備えていきましょう。
今回で、「親なきあと」問題の歴史シリーズは終了させていただきます。今後の法制度の動きなどは、また随時このコーナーでご紹介していきたいと思います。