信託制度を使うメリットには、どんなものがあるでしょうか
A・障害のある子に財産が定期的に給付されます
障害者に対して信託を利用する場合、効果として一番大きいと思われるのは、遺産が一度に子どもに渡らずに、定期的な給付で渡されるということです。大金を持つことがありませんので、いっぺんに浪費してしまったり、だれかにだまされて取られてしまったりというリスクが、ゼロとはいいませんが減ると思います。
うちの娘のように自分でお金は扱えない重度の知的障害者だと、そのような心配はないのですが、中度や軽度で自分でお金は扱えるという人に信託を使うと、せっかく貯めて子どものために残したお金がなくなったりせずに、定期的にお金が必要な分だけ渡していけるということができるので、有効なのではないかと思っています。
また、親が信託契約を結び、障害のある子に残した場合に、子どもが亡くなった後もその財産が残っていたとします。遺言で残した場合であれば、財産はだれとだれにいくらずつ相続させるというところまでしか指定できないのですが、信託財産として子どもに残した場合、子どもが亡くなったときにまだ財産が残っていれば、そのお金を親の会に寄付するとか、社会福祉法人に寄付したいとか、同じ病気をもって活動している会に寄付するというような指定ができるのが、信託の非常に大きな特徴です。