ニーズは非常に高いのに、障害者のグループホーム建設がなかなか進みません。何かいい方法は無いのでしょうか
A「建て貸し方式」が徐々に増えています
「建て貸し方式」とは、土地の有効活用を考えているオーナーにグループホームを建ててもらい、運営主体となる法人がその建物を一括して借り上げるというものです。
運営法人側のメリットとしては、土地や自己資金が無くても少ない自己投資でグループホーム建設が可能になります。また、新築なので当初から利用者に快適な住環境を提供できます。
そんな都合のいい話に乗るオーナーがいるのか、とお思いでしょうが、オーナーにとっても実はメリットがあるとのこと。土地の有効活用と言えばまずはアパートを考えますが、建設当初は全室に入居者がいても、築年数が経ってくると人気が落ちて部屋が空いてしまう、ということがありえます。この少子化の時代にアパート経営は先行き不透明です。
それに対して障害者グループホームであれば運営法人が長期間(30年程度)一括で借り上げるので、安定した収入が見込めます。また、福祉に貢献できるという精神的な充足感も得られます。
そして、グループホームを運営したい法人と、土地活用をしたいオーナーを結び付けるのが、大手のハウスメーカー。メーカーは担当地域の情報を持っているので、運営したい法人が相談して、条件に合うオーナーを探しマッチングする、という流れが多いそうです。
たとえばある障害者の親が、土地があるから子どものために建設したいと思っても、運営事業者がいないと成立しませんし、周囲の理解を得るなど乗り越えなければいけない壁はあるので、これによってすぐにでもグループホームがどんどん建てられるというわけではないでしょうが、今後も期待できる方式だと思います。