(前項からの続き)
知的障害者の親たちが、みんなで力を合わせて子どもを地域で知ってもらう活動を進めましょう。そうすることで、施設コンフリクトのような反対運動が少なくなっていく…といった楽観的な話をするつもりはありません。そんな簡単なことで解決する問題ではないと思っています。そもそも、反対している人は全体の中では数が少ない場合がほとんどです。そういった人の声が大きいので、他の人もそれに逆らうのは面倒なので地域として反対、となってしまうようです。こういった強く反対するような人を、親たちの努力で変えていくのは並大抵のことではありません。
そういった理想論ではなくても、例えばあなたの子どもを知ってくれている人たちが町にいれば、どうなるでしょう。障害者のグループホームができるって、何だかちょっと怖い気がするけど、あの子が入るホームなら別に構わないかな、と思ってくれるかもしれません。障害者ってよくわからないと思っていた地域の人たちが、あなたの子どもを通して知ってくれるかもしれません。
あなたの子どもだけでも、地域で顔を覚えてもらいましょう。あいさつできる人を増やしてみましょう。あなたの子どもが地域で生活するときに、どこかで助けてくれるかもしれません。とりあえず、それだけで十分オーケーとしましょう。
そんな動きをする人が増えていけば、結果的に地域で障害者が生活しやすくなるかもしれません。もしかしたらグループホームも建設しやすくなるかもしれません。希望的に過ぎるとお感じになるかもしれませんが、私はこんな小さなことの積み重ねが、意外と大きな問題の解決の糸口になるのでは、と期待しています。